倫理を倫理するノート

考える人の考える人による考えるためのブログ

暴力への省察「現前と表象の関係」

現前とはなんだろうか。この問いは、現前と表象の関係から浮き彫りになります。表象とはさしあたり、認識の材料のようなものです。表象とは英語でrepresentationというように、文字通りに捉えれば、再‐現前化という意味になります。つまり、現前の再提示が表象となります。 たとえば、目の前のコップらしきものを「コップ」と把握することは、コップの現前を表象することと同義です。このとき目のまえのものは「コップ」とし...

暴力への省察「問題系の提示」

ではさっそく、体系的に叙述をするために、見取り図を描きたいと思います。まず暴力の現象的内実を明らかにするためには、入念な準備が必要になります。そこで先立って、このエッセイを貫く、暴力の存在論的性格を一言で述べたいと思います。それは「法外さゆえに意味を付与しえない現前」というものです。つまり暴力とは、そのナンセンスさゆえに、いかなる意味づけ、正当化も挫折に終わるような、それゆえに自分の歴史に回収しえ...

暴力への省察

こんにちは。エッセイ初投稿させていただきます。よろしくお願いします。日ごろの省察がまとまってきたので、体系的なスケッチに挑戦してみます。テーマは「暴力」です。 ぼくは学生時代、つねにいじめに脅えて、逃げることに必死でした。だからメディアでいじめ自殺の報道を見ると、他人ごとではないように感じます。外部からの介入の望めないまま、一方的に暴力を受けている子どもに、何か希望のようなものは兆しえないか。...

暴力について

 暴力はその起源の古さにもかかわらず、きわめて現代的なトピックである。このことはひとえに、現代において他者問題が先鋭化されたことと無縁ではない。そもそも現代における他者問題は、大戦の反省に大きく影響を受けている。これまでの近代的自我を支えてきた形而上学的理念は崩壊し、主体の亡霊は新たな構造を求めてさまよっている。主体の寄る辺なさは隣人の暴力に晒される不安を際立たせ、実存という主題が声高に叫ばれるよ...

表象および現前について

表象の役割   わたしたちはふつう、なにかを目のまえにしたとき、それについて認識することからはじめる。そののちに、それについてなにごとかを考える。 認識できるということは、そのなにかが「表象」として与えられているということである。そのため、その表象は認識のきっかけとなり、さらには思考のきっかけともなる。 ここでもう一歩、踏みこんで考えてみれば、そもそもなにかについて考えることができると...