他者へと開かれた時間(後編)―「苦しみの中で告げられる死の女性性」

こんにちは。今日は、他者へと開かれた時間(後編)の、「苦しみのなかで告げられる死の女性性」をテーマに考えます。基底となるテクストはレヴィナス『時間と他なるもの』の特に第二講から第四講までになります。[合田正人編訳(1999)『レヴィナス・コレクション』、筑摩書房、pp.254-299] 1.はじめに前回は 「ある(il y a)ことの恐怖からの脱出」(リンク)というテーマで、孤独と肉体の関係について考えました。今...

他者へと開かれた時間(前編)―「ある(il y a)ことの恐怖からの脱出」

こんにちは。今日から前編と後編の二回にわたって、「他者へと開かれた時間」をテーマに考えたいと思います。基底となるテクストはE・レヴィナスの『時間と他なるもの』です。書誌情報:[合田正人編訳(1999)『レヴィナス・コレクション』、筑摩書房、pp.231-299]この一連の講義を記した本は、レヴィナスの初期における思想がコンパクトにまとまった、比較的短い入門者向けの内容となっています。しかし、レヴィナスの思想は、...

レヴィナスとは誰か

 こんにちは。今日はまずはじめに、ユダヤ人の思想家レヴィナスがどのような人なのかを、紹介したいと思います。1.レヴィナスとは エマニュエル・レヴィナスは、フランスの哲学者である。彼はロシア領リトアニアのユダヤ人家庭に生まれた。18歳でフランスに渡り哲学を学び、その後、ドイツのフライブルク大学でハイデガーに師事する。第二次世界大戦では、ドイツ軍の捕虜となり、親族のほとんどがユダヤ人収容所で虐殺...